2024年12月29日

昨今、技術の進化に伴い、現代社会における人工知能(AI)の役割はますます重要なものとなりました。
様々な分野で、AIが問題解決や新しいアイデアの創出に寄与している現在、AIを効果的に扱えることは、これからの社会を生きる人々にとって、もはや必要不可欠なスキルと言っても過言ではありません。シンギュラリティの到来も近いと言われるなか、今のこの時代において「AIを学ぶ」ということは、未知の領域に挑戦し、革新的なアイデアを生み出し、人類が人類として更なるステージに到達するための鍵を手に入れることなのです。

日本でも、2020年の小学校・中学校・高校教育でのプログラミング必修化、さらには昨今の生成AIツールの普及進展のおかげで、今の時代では、AIを活用した情報機器やITサービスに、若いうちから、より積極的に触れられるようになりました。とはいえ、依然として「AI後進国」と言われる日本では、高校生のうちからAIについて特化した教育を受けられる機会が少なく、国際的な舞台でAIの活用能力を競い合う機会も希少という現状があります。

そんな中、毎年世界中から集まった優秀な高校生以下の年代の生徒が一堂に会し、さまざまな分野で競い合い互いに刺激し合う「科学オリンピック」に、2024年、AI分野の大会が、それぞれ2カ国で誕生しました。一つはブルガリアで8月に開催された「IOAI」、もう一つはサウジアラビアで9月に開催された「IAIO」です。
未来を担う優秀な若手AI人材を世界中から集め、AIの無限の可能性を探究させるコンセプトで始まったこれらの大会は、今や、ブルガリア・シンガポール・中国・アメリカ・ポーランド・カナダ・ハンガリーなど、多くの国々から注目を集めるようになっています。

私自身は、言語学オリンピックに日本代表として参加した縁あって、IOAIの日本委員会を立ち上げることになりましたが、AIを専門にしている人間ではないため、正直、この分野で活躍されてきた多くの諸先輩がいらっしゃるなか、自分のような若輩者の門外漢がこのような大会の運営を担っていてもよいのだろうかという躊躇はありました。
しかし、日頃尊敬している方から「AIは色々なバックグラウンドの人間が関わるべき分野。一見AI関係なさそうなお前があえてこれをやっている、それ自体が1つのメッセージになるのではないか」と言われたことをきっかけに、AIを専門としない私が運営に携わることで、むしろ、色々な有識者の方々から忌憚のないご意見や知見を、偏りなく、幅広く頂戴することができるのではないか、と考えるようになりました。

来年8月に開催が予定される第2回IOAI国際大会(IOAI2025)に向け、また、今後の継続的な日本代表派遣実現のため、IOAI JAPAN は、これからも成長を続けていきます。
今の時代を生きる日本の若き優秀な人材たちが、AI分野で飛躍し、世界を牽引していく未来の創造に向け、どうか、皆様の暖かいご支援をいただければ幸いです。

佐藤 和音(IOAI JAPAN 代表理事)