国際人工知能オリンピック(IOAI)とは?
国際人工知能オリンピック(英語正式名称 International Olympiad in Artificial Intelligence, 略称 IOAI)は、毎年夏に開催される国際科学オリンピックの1つで、
世界各国の高等学校の生徒に人工知能(AI)の無限の可能性を探究する機会を提供し、次世代のAIパイオニアを育成することを目的として、2023年に設立されたものです。
第1回大会は2024年にブルガリアで開催されました。第2回大会は2025年8月に中国で開催される予定です。
競技内容
IOAIの競技は、科学ラウンド(Scientific Round)と実践ラウンド(Practical Round)から構成されています。
科学ラウンド(Scientific Round)
最新のAI研究を題材にした問題が与えられ、実世界でのAI科学研究における問題を解決する能力を競い合うラウンドです。
各問題はそれぞれ、IOAI本番前に与えられる事前課題(At-home stage)と、事前課題の内容に基づきIOAI期間中に新たに提示される競技課題(On-site stage)からなります。各問題はGoogle Colaboratory(Google Colab)ノートブックとして配布され、各チームは配布されたノートブックを編集したものを各事前課題および競技課題の答案として提出します。
Pythonの基礎知識、ディープラーニング(深層学習)において一般的に使われるPythonライブラリの知識、および機械学習の基礎知識が要求されます。
実践ラウンド(Practical Round)
広く使われているAIツール(ChatGPT、DALL-E 2 等)を実際に活用し、AIの動作に関する科学的な問題について考察する能力を競い合うラウンドです。
制限時間は2〜4時間で、事前課題はありません。
使用するAIツールはGUIで動作するため、コーディングの知識は要求されません。
過去大会開催記録
回 | 開催年 | 開催日程 | 開催国 | 日本代表 |
1 | 2024 | 8/9 〜 8/15 | 🇧🇬ブルガリア | 4名1チーム派遣(+準選手2名) |
日本からの参加
日本は、2024年8月の第1回・ブルガリア大会より、IOAI国際本部の認証を受けた当委員会の実施する選考を経て、IOAIに日本代表を派遣しています。
当委員会の目的
当委員会がIOAIへの日本代表生徒派遣を通して目指すことは以下の通りです。
- AI領域に興味関心を持つ優秀な学生を見出し、AI領域を牽引する専門家や世界中から集まったAIに関心を持つ学生と交流する機会を提供する
- AIの潜在的な利点・危険性を教育し、社会の価値に沿ったAIの活用法を考えさせることで、AIが正しく発展し責任あるやり方で使われるよう努める
- 学生がAIについて批判的に考え、その知識を現実世界の問題解決に活かす能力を養い、AI分野におけるキャリア追求を奨励する
- 幅広いバックグラウンドを持つ学生の競技参加を通じ、AI領域における多様性と受容を促進する