【ニュースリリース】「選抜育成プログラム 0期生」試行開始のお知らせ
人工知能オリンピック日本委員会(以下、JOAI委員会)は、人材育成の一環として新たに「選抜育成プログラム」を創設し、2025年10月〜12月を目安に小規模の試行実施(0期生)を行います。活動は全国からオンライン中心で実施します。
背景
国際人工知能オリンピック(IOAI)では、計画的な育成支援により安定して上位入賞を狙える体制を築く国々が見られます。日本代表は第2回大会で全員がメダルを獲得するなど成果がある一方で、一部経験者への依存や若年層の経験機会不足が課題でした。
この課題を克服するため、JOAI委員会は(1)次世代競技者の計画的育成と(2)世界で通用するAI人材の継続的輩出を目標に、本プログラムを導入します。
目標
- 競技面:翌年のIOAIでメダルを狙える実力の獲得
- 人材面:大学・研究機関・企業で通用する実践力(データサイエンス基礎、論文再現、チーム開発等)の醸成を通じ、日本のAI競技力・人材力の底上げ
実施要領
- 対象:主に高校2年生以下、高専本科2年生以下(いずれも代表経験者を含む)
注:IOAIの参加資格(大学教育ないしそれに相当する高等教育を受けていないこと)を踏まえ、本プログラムはその1年前段階の育成を目的として対象を設定。 - 活動期間:原則、国内大会終了後〜次回国内大会開始まで(約1年)
※0期生は2025年10月〜12月の短期試行 - 活動場所:オンライン
※対面施策は将来的に検討 - 選抜方法:国内大会の最終候補等に準ずる成績を収めた生徒を中心に選抜・招待します。
※0期生も同様に、国内大会の最終候補等に準ずる成績を収めた生徒を対象にJOAI委員会より個別に選抜・招待します。 - メンター体制:Kaggle(機械学習コンペの国際プラットフォーム)の上位称号保持者(Grandmaster/Master)や過去日本代表等が、伴走型の個別メンタリングを提供
※:Kaggleは実データでモデル開発を競う世界規模のコミュニティ。Grandmaster/Masterは実績に基づく上位称号。 - 活動内容(案):
- コンペティション参加(Kaggle/学会/コミュニティ。該当案件が無い場合は過去課題/論文の再現)
- 個別メンタリング&フィードバック(学習計画設計、実装レビュー、質疑応答)
- 定期チェックイン(週1回60分程度)/月次の活動発表(ショート発表・振り返り)
- 外部勉強会・交流(学会・行政機関・スポンサー企業・招待Kaggler等)
- 1dayワークショップ(集中演習)/最終成果発表(ショート発表・振り返り記事の公開)
- 選抜育成プログラム専用コミュニティへの参加(OB/OG・先輩との交流)
※合宿等の対面施策は将来的に検討
- 学業優先の原則/時間の目安:
本プログラムは学業を最優先とします。推奨自習時間の目安は週5〜10時間ですが、試験期間等は負担を調整できる運用とします。 - 費用:基本的な参加費は無料。通信費・書籍代・必要機材・移動費等は各自負担。
公平性・透明性
代表選考との関係性を明確に分離し、選抜基準・活動内容の透明化に努めます。在籍そのものが代表選考での過度な有利性とならないよう、役割分離(選抜育成プログラム運営と選考問題作成の兼務禁止)を徹底します。活動実績や運用方針の概要は定期的に公開します。